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版画独特の繊細でニュアンスに富んだ線の滲みにすっかり魅了され、 2010年の春より版画制作に取り組んでおります。 装幀や挿絵の仕事が広がるにつれ、イメージとテキストの関係性も 制作の大きなテーマとなっており、一篇の詩を書いて作品に添えています。 ドライポイント、手彩色/ハーネミューレ紙/ed.30/ image size 15x15cm/2010年制作 価格 15,000円 額装込 (メールにてお問い合せください) 男装した蝸牛を虫眼鏡で観察する。 なるほど絵画的な「私」であるけれど、 慰めは何の役にも立たないものじゃないかしら? 「夜の中の薄明かり、ぼくはある夢を見て」 一つ目は蜘蛛。そのままにしておくとすっかり気をよくして、 ぼくの手の甲、足の甲に這い上がり、口の中に入ってきて、 神経の真ん中にそっと手を触れ、親しみ深いわずかな死を告げる。 二つ目は水面に浮かぶ羽。重みもなくするすると舟を漕ぐ。 ここに眠る唇の優雅な影、レモンのようなその完全な形を撫でる。 彼女は焔を含んでいる。 弧の中の不眠症。口の中で散らかって、同じ月を待つ。 飛び跳ねて地面に落ちたぼくの心臓。 日々のおしゃべりの代償に、神経をポキンと折ってかき回すダンス。 ぼくのすり替わった影。 ぼくは病的とされ、8時ちょうどに旅に出る。 あの立ち入れない場所はどこだろう。 長い昼の沼地。あぶくの中のドレス。 悪意の降った夜に、とても退屈でしょう。 慣れた手つきで髪をなでる。秘密を首にかけてうたう。